パール判事の意見書と予告

東京裁判は敗戦国をつるし上げるための裁判で、はじめから結果が決められた裁判でしたが、唯一、日本の無罪を主張したのはインド人パール判事だけでした。


彼は判決に対する意見書(※)の中で以下のように述べています。

※ 意見書と言っても、数年かけて綿密に調べ上げた書類なので英文で1275ページにものぼります。パール以外の判事が観光旅行や宴会にうつつを抜かしている間も、パール博士は、ホテルに閉じこもり、調査と執筆に専念。裁判の間に博士が読破した資料は4万5000部、参考図書は3000部におよんだ。

その中で彼は、東京裁判は勝者が敗者を一方的に裁いた国際法に違反する復讐である、としてその違法性と起訴の非合理性を主張した。そして、「裁判所条例といえども国際法を越えることは許されない」「戦争は法の圏外にある」

「日本が戦争を起こしたのは、侵略のためではなく、西洋諸国によって挑発されたためである」「日本は国際法に違反する行為はしていない。

国際法上、犯罪行為に当たることをしていない日本は自衛のために武力を行使したのであり、侵攻戦争とても、いまだ国際法上の犯罪とはされていない。東条被告以下、いわゆる『A級戦犯』に指名された者は、無罪として放免すべきである」「この裁判は、国際法に違反しているのみか、法治社会の鉄則である法の不遡及(参照:事後法)まで犯し、罪刑法定主義を踏みにじった復警裁判にすぎない」などとして、被告人の全員無罪を主張しました。


日本人が背負わされた罪責感について極東国際軍事裁判のインド人判事パール氏が予告しておりました。彼は戦勝国側の人間ですが、ただ一人日本の無罪を主張しました。

彼の主張は「元々は世界を植民地化していた西洋諸国が悪の根源である。」とし、こう語っています。
「日本人が歪められた罪悪感を背負い、卑屈、退廃に流されていくのを平然として見過ごすわけにはいかない。偽りをを取り除き、歪められた歴史は書き換えなければならない。」と語りました。
(昭和二十七年・広島高等裁判所での講演)