日本は世界でもっとも古く歴史のある国 S
近年、古代日本に対する考古学の研究が進んでおります。
私が学校で日本史を学んだ頃は、縄文時代は原始的で野蛮だったという取扱いでしたが、それはとんでもない誤解であったことがわかっております。
(1)日本文明
もちろん、すべての考古学者が認めているわけではありませんが、日本文明を古代の7大文明に並ぶものとして取り扱おうとしている学者が何人もいます。
石造りの建造物ではないので、メソポタミアやエジプトのように遺跡はほとんど残っていませんが、その古さとオリジナリティーにおいて引けをとりません。
文明として定義されなかった理由は、西洋が考えるその他の文明の枠にはまらなかったからです。これについては後で説明します。
私は聖書の記述を文字通り信じているので人類の歴史は6000年だと考えていますが、それでも縄文時代が1万4千年〜4千年の歴史があると認識されているのは驚くべきことです。
(2)もっとも古いという根拠
世界最古の焼成土器の発掘
青森県大平山元(おおだいらやまもと)遺跡から出土した土器は約1万6500年前のものです。これは、文様のないものですが、縄目で文様をつけた土器は1万4500年前ごろのものとして全国で発掘されています。
(3)縄文時代の真実
稲作、作付
縄文人は狩猟採取によって食糧を得ており、稲作や作物を植えたりはしなかったとされておりますが、そうではなかったことが今日明らかにされています。
それどころか、稲のDNAを調べたところ、稲作は日本から朝鮮半島に広がったという研究発表もあるのです。
交易とネットワーク
勾玉(まがたま)の材料はヒスイで、新潟県糸魚川市の山中で採れますが、これが全国で見つかっていることをみると、大きなネットワークがあったことがうかがえます。
(4)世界で唯一発掘されていないもの
人間の本性はどの時代、どの国でも同じであるなどと言われています。そういう意味では、世界のどこででも戦争が起こっているのは人間の本性に属したものだと思われています。
しかし、驚くことに、世界中のどこででも発掘されているのに、縄文遺跡からいまだかつて見つかっていないものがあります。
それは人を殺すための武器です。このことから、縄文人は平和に調和を保ち生活していたことがわかります。
これはある意味DNAレベルで縄文人は他の人たちと異なっていたことがうかがえます。
(5)永続可能な文明
最古の歴史を持ちながら縄文時代が文明として認識されていない理由は、文字がなかったこと、石造りの建造物、大規模の都市が無かったり、中心的祭儀や王がいなかったことにあります。
しかし、大規模な都市を持つ生活形態にしなかったのは、自然と調和した持続可能な社会を目指していたからです。
縄文時代が1万年も続いたと言あれているのは、まさにこの持続可能な社会づくりを目指していたからでしょう。
(6)126代続く天皇
神話の時代についての記述は本当ではないでしょうが、それでも仁徳天皇(西暦313年)から数えても110代も続いております。
このような国はほかにはなく、その他の現存する王朝はたかだか数百年の歴史しかありません。
このように見ていくと、日本人の性質である、他の人との調和、平和を愛する、四季折々を大切にする、さまざまな食材を食べる、他のものを受け入れる、勤勉、しんぼう強いなどといった性質は、縄文時代から受け継がれているように感じます。
参考資料
解明が進む縄文人の軌跡・前編 〜イメージを覆す高度文明〜