堅調で危機ではなかった日本の経済

高橋洋一 という財務省の職員はあるプロジェクトに任命されました。 それはそれまで誰も知らなかった政府の(収支の)バランスシートを作るというものです。

バランスシートというのは簡単に言うと資産と借金のバランスです。つまり、どれだけ借金があっても、それを上回る資産があるなら、経済危機ではないということです。

それが1995年に完成しました。その年は、バブルがはじけて、日本経済が墜落の一途をたどっていた時でしたが、結果的に言うなら、そのバランスシートによると、日本経済は、それでも堅調であったことを意味します。

しかし、その結果は時の政府によって隠され今日にいたっております。

消費税は1997年、2014年、2019年と三回増税されておりますが、その根拠となっているのが「日本の経済は悪い」というものです。しかし、それが理由になっていないことがこの調査からわかっております。

実際海外の調査として、2018年10月10日のIMFによるレポートでは「純資産はほぼプラスマイナスゼロ、日本の財政状況は悪くない」という報告が出ております。


もちろん、これを持ってして、日本は大丈夫だとは言えません。データー自体は1995年のものですし、貯金を食いつぶしているわけですから、いつまでも続くわけではありません。


バランスシート的に良かったとしても、だめであるもう一つの理由は「経済破たんは心理学の問題」だからです。

つまり、 たとえ、お金があっても、もうだめだ、と決めればもうだめなのです。

その良い例が1999年の日産自動車の経営破たんでしょう。その後のV字回復を見れば、回復は十分可能だったことがわかります。少なくとも2009年に経済破たんしたGMが再建した手法を用いれば、日産はどこにも身売りすることなく経営再建は可能だったと思います。

つまり、日産の問題は、「もうだめだ。ルノーに身売りするしかない。」と誘導されたこと、思わされたことなのです。


ですから、バランスシート的に見てまだ悪くはないし、日本の国債も1000兆円あったとしても、外部に対する借金ではないので大丈夫だという違憲もありますが、そう単純ではありません。

もうだめだ、増税しよう、1997年の韓国のようにIMFの傘下に下ろうという判断が下されれば、それで日本経済は事実上の破産宣告となってしまうからです。