民主主義政治をリアルに感じさせるN国党 (19/10/17)

2019年夏の衆議院選挙で一躍注目を集めたのは立花孝志氏が率いるN国党( NHKから国民を守る党)です。


批判や中傷もかなりあるので、否定的なうわさしか耳にしていない人もいるかもしれません。

確かに人格的には少し問題があるかも知れませんが、予想以上に多くの票数を集めたことからわかるように、現在の日本に求められている人でもあります。

私は彼の活動について10年以上前から知っており、その動向を見ておりました。


この政党の公約はほとんどただ一つで、NHKの番組視聴をスクランブル方式(ケーブルテレビのように見たい人だけお金を払って見れるよう)にすることです。

この政党に投票しても、そのことしか実現しません。福祉の充実も、消費税の増税反対も、その他私たちの生活に関係のあることについての活動は何一つ実現してはくれません。

多くの人がNHKの集金システムに不満を感じてはいるものの、それだけの為にどうして百万票(得票率2%)近い数を勝ち取ることができたのでしょうか?


それには3つの大きな理由があります

一つの理由は、何か変わりそう、面白そうという理由です。それについて、幾人もの評論家の分析はただ浮動票を集めただけだと考えていますが、そうではありません。

それは、最初は単に面白がって彼のYouTube動画を見ただけの人であても、予想をはるかに超えるNHKのすさまじい腐敗ぶりを知ったからでしょう。その上平均年収が1750万円ときたら憤りを感じるのは当然です。

NHKの悪どい集金の取り立てだけだったら、そこまでは義憤は起こらなかったかもしれませんが、やくざとのつながりなどその悪徳ぶりは目に余るものがあるからです。


彼は元NHK職員で、在職中に不正な事を強要されて身体をこわし、それで退職した経緯があります。それゆえ彼の主張には信憑性があります。

また、やくざを動かし人が殺されているという件まで暴露しながらも、NHKが彼に対して名誉棄損の訴訟を起こしていないのを見るときに、その主張の信憑性がさらに増すのです。


三つ目の理由は、NHKをスクランブル化することは、大いに実現可能だからです。

いくら悪徳だからと言ってNHKを解体することはできないでしょうが、今日の技術ではほとんどコストをかけずに、お金を払った人だけ見れるシステムを作ることは可能です。

「国営放送として、すべての人が見ることができる必要がある」というのであるなら、緊急時など特定の番組だけスクランブルを解除すればよいだけです。


今日、国政に対するさまざまな反対運動がありますが、その運動が実を実らすことはほとんどありません。何かの権利を勝ち取ったり、便宜を図る立法がなされることはありかもしれませんが、悪い状態を正すことは本当に難しいのです。

そういった中で、このことに関しては、たとえば国会で5議席確保できるなら、実現に現実味を帯びてくるのです。

また、彼らはスクランブル化が実現されれば党を解散させると言っております。つまり、その時には補欠選挙がなされて、その議席を別の党が占めることができるわけです。

言い換えるなら、政治的な優先事項についてはそれぞれの人がさまざまな考えを持っているでしょうが、とにかくまずN国党に投票して、それが実現してから自分の本当に投票したいところに投票するという手もあるということです。


N国党が「令和の一揆」と呼んでいるように、民衆の民意を実現させる機会が与えられているのです。

これが実現したら、民衆は自信をつけ、その他の事柄に対しても人々が民意を政治に反映させようという動きが加速することでしょう。