信用創造とは何か

それについて知るのに辞書を見ても良くわからないことでしょう。

簡単に言うと、お金を無から創造されるシステムです。信じられないかも知れませんが今日、通貨とは銀行が何も無いところから生み出しているのです。

とはいっても、勝手にお金を増やしていては社会が混乱してしまいます。それゆえ一定のルールがあります。また、たとえば1万円のお金を銀行が創造するときに、たしかにそれには1万円という値打ちがあると保障する人がいます。

その保障をする人とは借金をする人です。借金する人がその金額に対して返済の責任をおっているがゆえ、その借用証書的な意味を持つ通貨を持つ人はその値打ちを認めることができるのです。

他にも信用創造の方法はいろいろあります。今日、より複雑な「金融システム」はその概要を外部からわかりにくく隠しているのです。


ここでちょっと私の経験からたとえ話をして見ましょう。

私は3人兄弟の末っ子でした。兄弟でよくトランプ遊びをしたものです。というと仲の良い兄弟に見えるかもしれませんが遊んでいた内容はポーカーやおいちょカブ、そしてブラックジャック、すなわち賭け事をしていたわけです。

ゲームの初めに最初に10本づつ爪楊枝を受け取ります。これには1本につき10円の値打ちがあると合意しゲームをした後に決算のときを持つことになっています。

すなわち、決算時に10本持っている人は何もしなくて良く、15本持っている人は5本プラスですから10円X5本=50円を受け取ります。5本しか持っていない人はマイナス5本ですから50円を支払うのです。

ところが、私と下の兄はすぐに破産してしまいました。つまり上の兄が30本の爪楊枝を手にして他の二人は0本になってしまったのです。

こんなに早く終わってしまってはゲームが面白くないので、私と下の兄は台所からさらに20本ずつの爪楊枝を持ってきてゲームを続けました。そんな勝手なことをしたら、いくらでもお金が増やせるではないかと思うかもしれませんがそうではありません。私たちは爪楊枝1本が10円であると約束しているので、それをすることはすなわち20本分、すなわち200円の借金をしてることになるのです。

これにより市場全体にある 爪楊枝の数は先の30本+40本(2人分)の合計70本です。

ゲームを続けていると、今度は下の兄が勝ち続け60本もの爪楊枝を手にしました。一人勝ちされては面白くないので、さらに一人20本づつ受け取りさらにゲームを続けました。

このシステムを用いるとこれでゲームは終わりですという時まで、いつまでも破綻することなく爪楊枝を増やしていくことができます。そしてゲームの中の市場にある爪楊枝の数はどんどん膨らみ続け、儲けている人はさらに儲けるのです。


ですから、現代社会は借金する人が出るたびにお金が創造されるシステムです。そして市場に出回っているお金は年々すごい勢いで増えているのです。

最近は大手の銀行でも通常の融資のほかにサラ金のような(といってもサラ金より少し金利は安いですが)貸付を担保を持たない個人にしています。それは誰かが借金をするたびにお金が創造されるから、銀行としては大歓迎なのです。

ですから、この世のシステムは人々が借金するように仕向けています。日本は国として主に国債という形で857兆円の借金を持っています。本来世界でもっとも豊かな国のひとつであるこの国は借金などしなくてもやっていけるはずですが、現在の経済システムがそれを許しませんでした。それは国債を発行することによって先に話したように通貨をコントロールするシステムに組み込まれてしまっているからです。

それであっても、トランプのゲームであるなら、借りたぶんだけ返せば借金は帳消しになるのですから、最終的には一人が平均43本(合計130本を3で割った数)の爪楊枝を手にしているなら、誰も損をしないで平和のうちにゲームを終えることができます。一回ごとのゲームに勝つ確立は平等なのですからそれはありうるのです。

けれども「金融」はそうではありません。借金をするときに利子がつくからです。市場全体で130本しかないのに利子のついた分それ以上の爪楊枝が要求されるのです。

すなわち信用創造とは、市場にあるお金以上にお金を必要とするシステムであり、必ず社会のどこかにしわ寄せが来るのです。すなわち、経済格差や貧しい人を生み出します。  


信用創造について知るための紙芝居

「村人と銀行家」(1)
http://hop.verse.jp/video/money_system_animation(1)-(MP4).m4v

「村人と銀行家」(2)
http://hop.verse.jp/video/money_system_animation(2)-(MP4).m4v

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