旧約聖書を根拠に他国を圧迫してはならない(旧約の記述は霊的世界の雛形)(14/06/03)

旧約聖書に書かれた異民族との戦いは、新約時代における霊的戦いの雛形です。

すなわち、 イスラエルの民が他民族の土地を占領し、彼らを追い出し、時には大虐殺をしたのは、霊的戦いの象徴であって、今日、私達が他の民族を圧迫しても良いという根拠にはなりません。

このことは他の人に説明するためにもしっかりと理解しておいて欲しいと思います。
というのも、特に未信者の方が旧約聖書を読むときに、イスラエルの民が他民族を追い出したり虐殺している話を読んでつまずいているからです。

さらに悪いことは、そのような未信者の方の疑問に対して、適切な回答をすることができないクリスチャンも多いということです。 ある、キリスト教系の本の中で牧師が疑問に回答しています。それはこのようなものでした。

(未信者)どうして、イスラエル人は異民族を虐殺するんだ?
(回答)彼らは偶像礼拝をしているから滅ぼされたんだ。

まあ、その回答は間違いではありませんが、そんなことを聞かされても未信者の方が納得できるとは思えません。

私達が知るべきもっとも大きな理由は、旧約聖書の記述は霊的世界の雛形だということです。
ヘブル人への手紙8章5節には、「旧約聖書の記述は写しと影である」と告げています。

また、旧約聖書の記述は私たちを教え、(霊的)原則を学ばせるためであると(ローマ15:4)に書いてあります。

旧約聖書が私達に教えるために書かれたのであり、それは新約時代の雛形であるなら、今日、聖書の御言葉を根拠として、戦争をしても良い」という理由にはなりません。

また、御言葉をまちがって解釈した結果、クリスチャンが戦争や破壊に加担することを私たちは日常的に見ています。

イラク戦争は、どのようにして始まったのか、イラクが核兵器を隠し持っているという因縁がつけられました。
それで、調査団が派遣されて徹底的に調べたところ、どこにもその証拠は見つかりませんでした。

ところがアメリカは単独でもイラクを攻撃するといってイラクを攻撃しました。けれどもその攻撃する前にはイラクが核兵器を持っているというのは間違いだということを知っていたのです。

ですから、イラク戦争はまったくの根拠のない侵略戦争だということができます。
けれども、それを指示したのはアメリカの福音派のクリスチャンです。
彼らが何を考えてそうしたのかは正確にはわかりませんが、旧約聖書を読むときに、異民族を蹴散らしても良いと勘違いをしてしまったのでしょう。