ユダヤ人の種類(15/05/23)


(1)ユダヤ人を大別するとユダヤ教を信じている人(意識している人)とそうでない人に大別されます。

「ユダヤ人とは民族ではない」という記事の中で「ユダヤ教を信じている人がユダヤ人である」と書いているのだから、「ユダヤ教を信じていない無宗教のユダヤ人」というものは存在しないはずですが、「帰還法」ではユダヤ人の子供あるいは孫であるならユダヤ人であると定義されているのだから、それもありなのです。

また、イスラエル国内に住むユダヤ人であるなら、「イスラエル国籍=ユダヤ人」的な空気もあるだろうから、自分のルーツがユダヤ人であると意識するなら自動的にユダヤ人となることでしょう。



(2)ユダヤ教を信じている人(意識している人)であっても、ユダヤ教を実践している人と、日本人が自分を「仏教です」という程度に習慣的、伝統的にしか信じていない人に大別できます。


ユダヤ教を信じている人の中でも、大きく分けて次の3種類に大別されます。

A)超正統派(ハレーディー(ム)(Haredi または ultra-Orthodox Judaism)

B)正統派(Orthodox Judaism)

C)改革派、保守派、再建派、その他


「超正統派」と「正統派」を混同するのをたまに見ますが超正統派とはいわゆる黒づくめの格好をしている人たちです。そして正統派の定義は「超正統派」では正統派のことです。

(A)と(B)はユダヤ教を信じる上ではそれほど大きな違いは無いのですが、(宗派にもよりますが)実は根本的な解釈で大きな違いがあります。それは、一般的に超正統派はシオニズムを認めておらず、したがってイスラエルの建国に対しても否定的です。そえゆえ彼らは兵役を免除されているのです(ただし2017年から義務となる)。

三番目をひとくくりにしてしまって乱暴に見えるかもしれませんが、それにはわけがあります。イスラエル国内では超正統派と正統派以外の宗教活動は公には認められていないので、国外ではそれほど意識されなくても(A、B)と(C)の間には大きな隔たりがあるのです。

ですから、ユダヤ人の種類を理解するには上の3つのカテゴリー+世俗的な人&無宗教を加えると大体良いでしょう。