シオニズムはユダヤ人の共通の願いではない

「ユダヤ人は2千年近くの間、世界をさまよいイスラエルが再興されるのを願っていた。」

「特に超正統派のユダヤ人はイスラエルの建国を夢見ていた」

これらの言葉を聴いたなら、イスラエルを愛するクリスチャンでなくてもその通りだと予測することでしょう。しかし、これらの言葉は間違いです。


今となっては信じられないかもしれませんが、第二次世界大戦が起こる以前はユダヤ人の国家がパレスチナの地に再興されることを願っていたユダヤ人は少数派でした。

意外と理解していない人が多いと思いますが、黒ずくめで有名な超正統派ユダヤ人は今でも大多数は反シオニズムの立場をとっています。


その理由を一言で説明するなら、超正統派ユダヤ人は「人間の力や人間のイデオロギーで建国するのは神の御心ではない」と考えているからです。


シオニズムを支持する考え方は次のような段階があることでしょう。

1) メシアの到来による建国は支持する (超正統派ユダヤ人)
2) 聖書に基づいたものであるなら支持する
3) 初期の穏健なシオニズムなら多少政治的であっても支持する
4) たとえ政治色が強くても支持する
5) たとえ政治色、軍事色が強くても何が何でも支持する

とはいえ、実際には、クリスチャンがイスラエルを支持するときには政治的な面を見ないようにして霊的な部分に目を留めることになると思います。

それはある程度仕方が無いことですが、ただ、とりなし手の成熟度に応じて現状を理解しておく必要はあることでしょう。