死後の状態
旧約の時代、死者の霊はすべて「ハデス」(よみ)に行きました。
ハデスには大きく分けて「慰めの場所」と「苦しみの場所」がありました。
参考聖書箇所(ルカの福音書16章23節-26節)
それは完全に分離された場所ではなく、互いに見ることができましたが、大きな淵(ルカ16:26)があって行き来することはできません。
注意)ハデスと地獄を混同する人がいますが、この両者はまったく別物です。現在の刑法にたとえて言うなら、ハデスは留置所であり地獄は刑務所です。
留置場は犯罪者を留め置きますが、裁判を受けていないのでその刑は確定していません。「イエスを信じず罪を犯した人は、地獄に行く」という言い方をしても差し支えないのですが、実際には地獄に直行するわけではありません。
ハデスと地獄を勘違いする人が多い理由は英語の聖書のキング・ジェームス訳などでマタイ16章18節に書かれたハデスを地獄と誤訳したことにあります。
このハデスは死後の世界ですが、死んだ魂の最終的な行き先ではありません。それはイエスの十字架の死と復活の後にさらに違いが現れてきました。
イエスは十字架の死後ハデスに下られました。
(エペソ4:9) 「彼がまず地の低い所に下られた」
(第1ペテロ 3:19)「キリストは捕われの霊たちのところに行って・・」
そこで、ハデスの慰めの場所にいる魂を連れて天に上りました。(エペソ4:9)
それ以後はキリストを信じた魂はハデスに行くことが無くまっすぐ天に昇ります。
(第1テサロニケ4:13-14)にイエスを信じて死んだ人の魂を再臨の時に「連れてこられる」と書いていることから、彼らは天で神とともに過ごすのです。
文章だけでは正確に判断できませんが、(ヘブル12:1)の記述を多くの証人(先に召された信仰の勇士たち)が私達を見ていると理解する人もいます。
イエスが再び地上に戻ってこられるときに生きている人たちは、生きたまま新しい体に変えられて天に引き上げられます。(第1テサロニケ4:17)
特に殉教した人はその後設立される千年王国において王として治めます。(黙示録20:4)
キリストを信じなかった人は、旧約の時代から今日に至るまでハデスに留め置かれます。そして、「千年王国」が設立され千年経った後によみがえります。(黙示録20:5)(黙示録20:12-13)
そのよみがえりは裁きを受けるためです。いのちの書(黙示録 21:27)に名前が記されていない人(キリストを信じなかった人)は火の池(地獄)に投げ込まれます。(黙示録20:13-15)
この裁判はキリストを信じなかった人のための裁判ですが、クリスチャンも裁きを受けます。(ローマ14:10)(第2コリント5:10)
この裁判は基本的に地獄に送るためのものではありませんが、この地上の働きの報いを決めるためのものです。