安息日についての考え方B上級編  (22/05/26)

宗教Q&Aなどで、安息日はいつなのかという問いに対してイスラム教は金曜日、ユダヤ教は土曜日、キリスト教は日曜日という回答はよく見られるものです。
その回答は一見正しいようですが、まったくもって根本的に間違っています。
しかし、その間違いに対して誰も指摘しませんし、ユダヤ教の指導者もその問題に目を向けようとしていません。というかそういう問題がある事すら知らないかのように宗教を行っています。
ネットで調べても99.999%の情報はその問題に触れておりません。

その問題とはユダヤ教の安息日は何曜日なのかという問いに対するものです。
不思議なことに聖書には曜日について一切書かれていません。安息日の記述はあるのに、それ以外に曜日を思わせるものが一つもないのです。
なぜないのかを考えるにあたって二つの選択があります。

  1. 聖書が不完全だからか。A私たちの概念が間違っているからか。

その回答のヒントは「新月祭」にあります。
今日、ユダヤ人でも新月祭はそれほど注目されてはおりません。
新月祭は読んで字のごとく月の運行によって決まるので、どの曜日に当たるのかはその月によって変わってくると思われています。しかし、それが間違いなのです。
新月祭は月が一旦まったく見えなくなった後の日没にわずかに新月(※4)が見えるようになった日の翌日のことです。

※4)今日、月がまったく見えなくなった朔(さく)の状態を新月と呼んでいますが、本来は新しく光が輝く出した状態のことです。

本来その日をユダヤ教ではその月の第一日目としておりました。そしてその日から7日経ったら安息日です。さらに14日目、21日目、28日目が安息日です。
最後の安息日は28日目なので早ければその翌日、どんなに遅くとも3日後には次の新月祭が始まります。

このことから言えることは本来のユダヤ教の一週間とは7日ごとのサイクルで延々と繰り返されるものではなく、毎月新しくリセットされるものなのです。

ですから、本当に本当に安息日を守りたいのであるなら、日曜日に集まるか、いや土曜日だという論争もナンセンスなのです。