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型コロナウイルスの模型をテニスボールで作ってみた。表面の大きなトゲ(突起)が健康な肺胞細胞にとりつき「感染」するが、このトゲは壊れやすい弱点があ
る。大きさは100ナノメートル(1mmの1万分の1)前後で、このテニスボールサイズに拡大すると、身長170cmのヒトのサイズは福岡~花巻間の距離
(約1140km)になる。今、世界はそんな超極小ウイルスに翻弄されている(模型製作・写真:山根一眞)
2019年末、中国・武漢に発したコロナウイルスによる肺炎は、新型コロナウイルス、武漢肺炎、新型肺炎など呼称も定まらないままだったが、2020年2月12日、WHO(世界保健機関)はやっと「COVID-19」と命名した。
大きな混乱が続いているこの「COVID-19」、「なぜ?」と思うことが多々ある。
2月8日には武漢で新型肺炎の疑いで入院していた日本人男性の死亡が報じられたものの(新型コロナウイルスかどうかの検査結果は未確定なままだったという)、日本で確認された感染者およそ200人のうち重症で治療を受けている方はごくわずかにすぎない(厚労省)。
感染したものの肺炎を起こす人の数は、なぜ少ないのか。
約3700人の乗客・乗員が閉じ込められたままのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、検査が進むにつれて乗員・乗客の感染者数が少しずつ 増えており174人の感染を確認(厚労省)、病院に搬送された重症者は4人と伝えられている(2月12日)。だがやはり、感染しても発症しない方が圧倒的 だ。
感染しても必ずしも肺炎を起こすわけではないのはなぜなのか。
一連のコロナウイルスに対する社会的不安の拡大は、どこか間違った認識が恐怖を拡大させているのではないか。
2020年1月29日、武漢からの帰国第一便到着後、空のまま羽田空港をあとにする救急車 Photo by Getty Images
感染性が強いウイルスによる呼吸器感染症の代表はインフルエンザだが、その年間死亡者数は世界で約25万~50万人。日本では年間、実に約1000 万人が感染し、インフルエンザが死因の引き金となった人(「超過死亡」と呼ぶ)も含めれば推定死者約1万人にのぼる(厚生労働省)。
新型コロナウイルスとは比べることもできないほど大変な事態が毎年発生しているのだ。
折しも、アメリカでは今、インフルエンザが猛威をふるっており、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、この冬のシーズンの患者数は2200万人、21万人が入院し、推定死者は1万2000人と公表したばかりだ(2月9日)。
今シーズンのインフルエンザの死者が推定1万2000人と伝えるCDC(アメリカ疾病予防管理センター)のウェブページ
同じ呼吸器感染を起こすウイルスにもかかわらず、日本だけでも死者1万人を数えるインフルエンザに対して社会的なパニックは起こっていないのに、新型コロナウイスルへの社会的恐怖感はなぜこれほど突出してしまったのか。それに答える報道もない。
だが、その答えを持っているはずの専門家がいる。