(10) 5日目 6月5日 イゼベルの霊

イゼベルの霊とはアハブ王の妻(第1列王記16:30-32)に働いていた「支配とコントロールの霊」です。ただの支配とコントロールと違うことは、最高権威者ではないけれど、その横で、あるいは背後で支配しコントロールする霊です。

新約聖書には黙示録2章20節に登場します。

これには大きく分けて2種類あります。それは「大イゼベルと小イゼベル」です。
いかにも強そうな女性が支配してる場合は大イゼベルです。そして一見弱々しそうに見えるけれどコントロールするのが小イゼベルです。すべてはその二つの両極端の中間のどの位置かに属しております。

大であれ小であれ、その破壊力は同じです。むしろ、支配しているように見えない分、小イゼベルのほうが怖い面もあります。

アハブの妻は大イゼベルよりでしたが、文字数の関係上今回は小イゼベルを取り扱います。
イゼベルはトップリーダーの背後で働く関係上、牧師やリーダーの妻がこれにやられがちです。
妻でなくても、権威者の元で大きな権威が与えられたり、重要視されたり、依存されたり(実際はそうでなくても本人が「私がいなければこの教会はだめだ」と考える立場になる)するときに、この霊がむくむくと立ち上がってくるのです。
ですから、教会でこの霊が問題になるのは、教会外からの霊的攻撃というよりも教会内からの攻撃です。


時間の関係で詳しく説明することはできませんがこの霊にやられている人は以下のような特徴があります。

特徴(1)コントロールする。
特徴(2)見下す。
特徴(3)弱そうに見せて、そこにできた隙間に入ってくる。
特徴(4)訓戒を受け入れられない
特徴(5)感情の起伏がある
特徴(6)状況を仕切りたがる

その特徴を見ればわかりますが、何も特殊なものではありません。特に女性はいつでもこの霊に影響される可能性があります。それをどうしてわざわざイゼベルの霊と言って取り上げるのかというと、それにえさを与え放置するときに「教会を滅ぼす霊」と呼ばれる種類のワンランク上の霊的攻撃力に成長する可能性があるからです。

特徴(7)恐れや責めを抱かせる

この霊の大きな武器は相手に恐れを抱かせることです。また、責めの思いを与えます。

エリシャは偶像の神々の預言者たちに輝かしい勝利を収めましたが、イゼベルの一言で震え上がってしまい(第1列王記19:1-4)、最後には死を願うほどにまでなってしまいました。

18章での勝利の姿のエリヤはどこにいったのでしょうか?もちろん誰でもアップダウンはありますが、彼の落ち込みようは特別でした。それは通常のレベルの悪霊ではなく「ミニストリーを滅ぼす霊」であったことがわかります。


■イゼベルの霊のえさ

しかしこの霊は最初から大きな力を持っていたわけではありません。男性(夫あるいは上に立つ権威者)がリーダシップをとらないときに、この霊が立ち上がってしまいます。それゆえ決断できない、権威を取れない男性のもとにいる女性は誰でもイゼエルの霊にやられる可能性があるのです。


■対策
これは霊的なものなので、霊的な戦いが必要です。すなわち、賛美、祈り、御言葉の宣言などといった霊的な手段です。しかし、それらの方法だけでなく、その霊が働いている人の魂の領域を取り扱う必要があります。もちろん、魂の取り扱い方にも(慰め、励ましなど)たくさんの種類がありますが、私たちクリスチャンは「愛する、励ます、赦す、受け入れる」という方法は得意なのですが、それだけでは十分解決できないことを知っていただくために次のことを書きます。

対策(1)夫(牧師、リーダー)が立ち上がる
先にも書きましたが、ほとんどの女性は心の中にイゼベルになる可能性の性質を秘めています。
それが立ち上がるのは、夫が権威をとらないことにあります。夫が本当の意味で権威を行使し立ち上がるなら、イゼベルは退けられるのです。

対策(2)訓戒を与える
この霊はへりくだりを知りません。へりくだりは神の性質であり、サタンはそれを受け入れることができないのです。訓戒はその高慢を打ち砕きます。そして自分をへりくだらせるなら本人も解放されるでしょう。

対策(3)活動に制限を与える
訓戒とまでいわなくても、その霊を試してみることができます。それは、その活動範囲に制限を与えることです。


■イゼベルの最後

イゼベルの最後を見るときに、この霊にどのように対抗するべきかについての示唆が与えられます。

第2列王記9:30-37)に出てくる宦官が文字通り閹人.(えんじん=去勢された男性)であったかどうかは正確にはわかりませんが、そうであるなら、去勢された男性がイゼベルを倒したと言うのは興味深いことです。

イゼベルの霊は男性を支配しコントロールする霊です。弱さを装い表立っては活動しませんが、男性の影で男性を操ります。(黙示2:20)にあるようにほしいままに振舞い夫は骨抜きにされてしまいます。

しかしここで去勢された男性がイゼベルを倒したことは、たとえ権威を行使できない男性であっても立ち上がるならイゼベルを抑えれることを示唆しています。


■最後に

いろいろ書きましたが、ひとついえることは、このイゼベルの霊の問題は、その霊にやられている女性の問題ではなく、それを制御できない上に立つリーダーや夫の問題なのです。


デボーション

(1) 自分の心の中にイゼベルの要素がないかどうか吟味し、夫、牧師、親、上司に対する態度を吟味しましょう。

(2) 問題点を見つけたら反対の行動をしましょう。

(3) 男性、リーダー、牧師は果たすべき権威を適切に行使するために立ち上がりましょう。