(12) 7日目(土) 6月7日 解放のミニストリー

解放のミニストリーとは一般的に(狭い意味において)悪霊の追い出しを意味します。

その前にそもそもクリスチャンも悪霊に取り付かれるのでしょうか? これに対してはさまざまな意見がありますが、まず第一にそれは聖書的な記述だということです。ですからカリスマーペンテコステ系の教会ではありうるというのが主流の意見です。

いずれにしても、悪霊が中に入っていても、外にいてその人を悩ましているだけであっても、症状や作用は似ていますし、対処方法も似ています。ですから、大切なのは中か、外かというよりも、悪霊の仕業を認めて、それに対して対抗していくことです。


もちろん、大きな油注ぎを受けた人であるなら、その霊的権威によって追い出しは可能でしょう。しかし、それにはひとつ問題があります。それは、悪霊が進入する扉となった事柄を取り扱っていなければ再び戻ってくる可能性があることです。

また、すべての人が霊的権威だけで追い出せるわけではありません。ですから、誰でもできる、そして敵が戻ってくることのない悪霊の追い出しかたを学んでいきましょう。

解放の働きは、誰か別の人(成熟したクリスチャン)とするのが効果的です。穴に落ちたときに、自力では出て来れなくても誰かの助けがあればできるのと同様です。

私はカルロス・アナコンディア師のミニストリーに4度(札幌、旭川、メキシコ)参加し、スペイン語を理解する関係上、彼の極近くで多くのことを学びました。彼の働きは、基本的に2つの極端で成り立っています。ひとつは彼のとき別な油注ぎです。彼が悪霊をとがめるときに束縛されている人に悪霊現象が出るのです。

もうひとつの極端は誰でもできる方法です。悪霊現象が起こった人は別に準備された解放の部屋に連れて行かれます。そこでミニストリーをするのは(訓練を受けたものの)普通の人たちなのです。ですから、私は普通の人でも悪霊に対抗できることを知っております。


(1)悪霊の進入を許したきっかけを察知する

地上戦としての霊的戦い」の中でも書きましたが悪魔との契約、犯した罪、トラウマ、赦さない思いなどは悪霊がそこにとどまり続ける足場となります。

悪魔との契約とは、七五三などで神道の神にささげられたように自分の記憶がないときにも行われる場合があります。


(2)いつから、どんな症状があるかを知る

私たちは偶像に囲まれた中で生活をしているので、普通に生活しているだけで、多くの影響を受けます。私たちが対処するまでそれらの影響の一つ一つが残っているわけではありません。ですから、神社に行った、お寺にいたなどということを全部思い出して断ち切らなければならないわけではありません。

キリストは既に勝利しており、私たちにその勝利を既に与えているからです。

しかし、自分に悪霊の影響と思われる症状が出ているなら、それがいつごろからかを思い出すことによって、そのきっかけとなった事柄を察知することができます。


(3)問題となっている足場を取り除く。

罪であるなら悔い改め。悪霊との契約であるなら、それを声に出して「断ち切り」を宣言してください。


(4)イエスの名によって悪霊を追い出す

これは、ミニストリーをする別の人に宣言していただきましょう。

足場を取り除いているので、別に叫んだり、倒れたり、吐いたりはしないかもしれませんが、これで、基本的には悪霊の影響から解放されます。


(5)解放された感覚がない場合の対処

(A)束縛はたけのこの皮のようなもの

私たちが持っている霊的束縛は、たけのこの皮をはいでいくようなものです。何かひとつ問題を見つけても、それが核心とは限りません。

逆に言うなら、一つ一つ悔い改めて断ち切ったとしても、次の問題が登場してくるかもしれません。ですから、解放のミニストリーを受けた後も、悪霊の影響があるからと言って落ち込んだり、あのミニストリーには意味がないとは思わないでください。


(B)解放を信じる

敵は偽りの父です。「あなたはまだ悔い改めていない」などといううそを言ってくることでしょう。たとえ解放された感覚がなかったとしても上記の理由による場合が多いです。


(C)最初に戻る

それでも、症状が残る場合は最初に戻って繰り返してください。


(6)聖霊に満たされる

マタイ12:43−45)には悪霊が追い出された後そこが空っぽなら、悪霊が戻ってくると聖書に書いてあります。ですから聖霊に満たされるように祈ります。また、ミニストリーの後も満たされ続けてください。


■ミニストリーをする人の秘訣

(1)相手を人格を持った人として扱う

悪霊との戦いということで、戦いモードになるあまり、相手の人格を傷つけてしまう場合があります。愛を持って接してください。また、不必要に恥ずかしい思いをさせてはいけません。


(2)正気の状態で行う

悪霊現象が起こっていたり、正常な判断ができない状態ではミニストリーが難しいです。ミニストリーをする人の中にはマニフェステーションが起こると燃やされる人がいますが、それは相手を不要に苦しめるだけです。

悪霊の束縛で、たとえば断ち切りの宣言ができない場合があります。そのような場合に、がんがん祈って無理に言わせるのではなく、いったんリラックスしてから再開しましょう。

これは霊的戦いですが、霊の領域は悪霊の得意分野でもあります。もちろん強い油注ぎを持っている人は聖霊の力によって霊の領域で戦ったほうが悪霊を制しやすいのですが、そうでなければ、その領域だけで戦うことはありません。

先の記事に書いたように魂は霊的世界とのつなぎ口なので、基本的に正常な状態で行うべきです。


(3)あまり時間をかけすぎない

場合にもよりますが、何時間もかける必要はありません。たけのこの皮を1,2枚はいだら、残りは別のときにしても良いのです。


(4)神は計画を持っている

人間的に言えば、その人が解放されればそれで良いのですが、神の計画はさらに大きいのです。その解放を通じてその人の家族、そして共同体を解放する計画を持っているかもしれません。

ですから、容易に解放されないからと落胆しないでください。主を見上げましょう。